第九交響曲2016/12/07

 久しぶりのブログ、夏以来多忙で文章を書く気力
はどこへ行ったのか。

 師走です。第九です。ベートーベンさんです。

 明日は真珠湾攻撃で日米開戦となった日です。

ドナルド・キーンさんをご存知の方は多いのでは。
 あの方は真珠湾攻撃の二年後、ハワイの日本人捕虜収容所
で青年将校として、機密事項の翻訳その他の仕事をしていたとか。

 驚いたことに、彼は休憩時間に日本人捕虜を集めて
小さな蓄音機でベートーベンの交響曲を聞かせておりました。
 捕虜の彼らにとっては聴く機会のほとんどない音楽。
無心に聴き入った。「戦場のエロイカ・シンフォニー」

 しかし、ほとんど全員が涙を浮かべ、
今まで澱んでいた眼光がだんだん澄んだものに。

 話は飛んで、日本の徳島へ。
第一次大戦でドイツ人捕虜は日本へ、それも徳島の坂東収容所
へ。

 信じられないことに、数千人いたドイツ人捕虜は
自分たちで楽器を調達し、第九を演奏したのであります。

 これが第九の日本初演となったとか。

 音楽は言葉以上に人の心を動かし、共感を生み出す
ものである、と思います。

 年末になると、特にそのように思われる。
日米開戦から75年。

 世界平和を祈らずにはいられない。